学校ブログ

〔blog〕 読書の秋 【学校図書館】

2021年9月30日 14時00分
「読書の秋」という言葉は、「秋は過ごしやすい気候で、ゆっくり読書ができる季節」という意味です。そんな「読書の秋」という慣習が定着したのは、漢詩や小説などが関係しているようです。


◆中国の漢詩が起源
「読書の秋」の由来として多く語られるのが、古代中国の漢詩です。詠んだのは唐代の詩人として高名な韓愈(かんゆ)で、時代は8世紀頃とされます。問題の漢詩というのが「符読書城南詩」で、学問の大切さを伝えています。その中に以下のような一説が登場します。
「時秋積雨霽、新涼入郊墟。燈火稍可親、簡編可卷舒。」
これを日本語に置き換えると、「秋になり長雨があがって空も晴れ、涼しさが丘陵にも及んでいる。ようやく夜の灯に親しみ、書物を広げられる。」というような意味です。この一説がきっかけで、涼しい秋の夜は読書に適しているという考えが浸透したと言われています。昔の人も、暑い夏が終わってゆっくり読書できる秋を心待ちにしていたのかもしれません。

◆日本では夏目漱石の小説がきっかけ
「読書の秋」の考えや習慣が日本に根付いたのは、有名作家・夏目漱石が1908年に発表した小説「三四郎」で件の詩を引用したことがきっかけとされています。その後、日本は多くの戦争に突入しますが、戦後まもない1947年に「読書週間」が開始されます。読書の力で平和を築く目的があり、その期間は文化の日を中心とした10月27日から11月7日に固定されました。読書週間により「読書の秋」という言葉がより強く根付いたのです。